滝山団地の“ちょっとイイ”お話

管理組合の理事たちが団地で見つけた良いことや興味のあることなど「よもやま話」を語ります。
興味がありましたら読んでください。

【環境整備より】第4回「2街区滑り台の“かなり残念な”お話」

こんにちは、環境整備担当理事の谷口です。前回は団地内の滑り台の下が歩道になっていることが魅力の一つであることをお伝えいたしましたが、同時に残念な滑り台であることもお伝えしなければなりません。

ご存知の方も多いでしょうが、2街区の滑り台2基についてはトンネル部分の高さが170cmしかないのです。そのため、稀にうっかり頭をぶつけてしまう人がおります。“稀に”とは言っても、50年以上もの間にずっと同じ場所にあった訳ですから、今まで何人の人が頭をぶつけたか想像がつきません。

東小公園Ⅰの滑り台を歩行してみる 
同じ場所を自転車で走行してみる

私の身長は日本人男性の平均値に近い172cmですが、普通に通行するとこの有様です。自転車で通過する場合でもやっぱりぶつかってしまいます。(3街区のトンネルは180cm以上ありますので少し余裕があります。)

この団地に長く住んでいる方々は慣れたもので、トンネルを通過する前にひょいっとお辞儀して難なくやり過ごしますが、入居間もない方は要注意です。特に暗くなってから通過する時などにはお気を付けください。

この問題は以前から指摘されていたもので、2年前には滑り台ごと撤去してしまう話まで持ち上がりました。しかし、滑り台は50年以上の間、子供たちに親しまれてきた思い出の遊具ですから、管理組合総会では撤去する議案が否決されました。


撤去案が否決されたとはいえ、危険が無くなった訳ではありませんので、管理組合では応急処置としてトンネルの上部に“頭上注意”の警告ステッカーを貼っています。そして現在はいくつもの対策が検討されています。

“頭上注意”の警告ステッカー

(案1)ジャッキアップをする

高さが足りないなら、持ち上げてしまえばどうか?あるいは別の場所に移動させたらどうか?素人考えでいくつもの業者にあたってみましたが、残念ながら全て断られてしまいました。

この図は団地に入居を開始してまだ日が浅い1969年の11月に日本住宅公団が滑り台に手摺を追加する工事を行った時に作成した滑台断面図です。現在、管理組合に残っている滑り台に関する図面はこれしかありません。

滑台断面図

これを見ると、内部は思ったより複雑な構造になっていますね。基礎部分は2つに分かれており、中の空洞には石や砂利が充填されているようです。さすがにこの構造では持ち上げることが出来ないですね。

(案2)迂回路を敷設する。

歩道を途中から分岐させて、自転車には迂回路を走行してもらう案も考えました。トンネル前後で自転車止めのポールを立てて、歩行者だけが滑り台の下を歩行できるように変更すれば、自転車の事故は回避できるだろうと言う考えです。

迂回ルート新設イメージ(上から見た図)

ですが、この案も迂回路敷設にかかる費用が高額になることが分かり、残念ながら断念しました。(特に東小公園Ⅰの東側があじさい庭園になっており、ここに迂回路を設けることが高額になります。)

(案3)トンネルの前後3m程度を10cm低くする。

トンネルの高さを3街区の西小公園Ⅲの滑り台と同じ180cmにすれば、ぶつかる頻度が減るであろうと考え、トンネルの前後3mほど歩道をスロープ状に低くして、トンネル高さを180cmにする案です。この場合は低くなった場所に雨水が溜まりやすくなるので、中央に排水溝を設けて近くの雨水枡まで繋げる工事も同時に行います。

スロープ歩道改修工事イメージ(側面から見た図)

今のところ、この案が一番安価に済む工法ですから、来年度の総会議案で皆様にご承認をいただくためにも工事仕様の詳細を詰めている段階です。

この様に私たち管理組合は、滑り台を後世まで残せるように大切に補修・改修を進めていきたいと考えていますので、大人の皆様も団地遺産を体験すべく「滑って」とまでは申しませんが、せめて上まで登って景色を楽しんでみては如何でしょうか?

次回は「誰が名付けたの? 公園遊具の“ちょっとおかしい”お名前」についてお話し致します。(つづく