管理組合の理事たちが団地で見つけた良いことや興味のあることなど「よもやま話」を語ります。
興味がありましたら読んでください。
こんにちは、環境整備担当理事の谷口です。
滝山団地2街区と3街区には敷地内を南北に縦断する遊歩道が1本ずつありますね。この団地が「小平・東村山都市計画」の一環である「久留米土地区画整理事業」に基づき建設された時に、歩行者専用道路として整備されたものです。
この遊歩道は私たちの団地内に留まらず南側の住宅街にも延びており、また1街区(UR賃貸エリア)や第二団地さんのエリアにも同様に団地外まで延びた遊歩道があることはご存知ですよね。
でも、2街区と3街区の遊歩道は他と違う特徴があることを知っていましたか? それは下を向いて歩いてみると、すぐに分かります。
2街区・3街区の遊歩道にはカラー平板が敷き詰められており、円形模様のある黄色平板と無地の赤色平板、無地の黄色平板の3種類がパターンになり配置されています。
このパターンは約30年前の平板改修工事(全面敷直し)の時に採用されたものと思われます。
驚くことに、このパターンは南のバス停入口から北の入口までの全域に渡り統一されているものでした。
下の写真が、遊歩道のカラー平板デザイン図です。
(クリックすると大きい図が見られます。※実際の配置と若干ずれているところもあります。)
団地が出来た当初の遊歩道は砂の上に平板を敷いただけの造りで、砂が流れることにより割れたり、ガタが起きたりして、毎年のように平板の補修をしなければならなかったとのことで、1981年頃には早くも基礎からやり直す工事を検討していたようです。この時代の平板は下の写真を見る限り、パターンが無いように見えます。
この遊歩道は市道の部分と私たちの共有地の部分が一体となって出来ているため、1981年当時は市に補助金を陳情したようですが、残念ながら補助金が下りることはなく計画も延期されてしまいした。
そして最初の検討から10年の年月が流れた頃にようやく再整備が実現したのです。
まずは1991年度に3街区の工事が行われ、続けて1992年度に2街区が行われました。総工費は約7,550万円(うち、約918万円が市の補助金)もかかった一大事業でした。
それにしても、このデザインはとてもお洒落だとは思いませんか?普段歩いていると気が付かないような場所にもこんな工夫が施されているなんて、とても粋ですね。
でも残念ながら当時の工事資料はほとんど残っておらず、誰がどのような経緯でこの平板パターンを選んだのか、資料が見つかりませんでした。
そして残念な事がもう一つ、それは折角費用をかけて再整備したこの平板パターンが、今ではあちらこちらで崩れていることです。
おそらく30年の年月が過ぎ、人の移り変わりの中で平板がパターン化されていたこと自体が忘れ去られてしまったのでしょう。
この様な状態の写真を見ると、改めて先人の方々が創意工夫を凝らしたこの「アートな遊歩道」を大切に継承していく必要があるのだと思わずにはいられません。
次回は「悪者にされてしまった公園遊具」をお話し致します。お楽しみに。(つづく)