管理組合の理事たちが団地で見つけた良いことや興味のあることなど「よもやま話」を語ります。
興味がありましたら読んでください。
こんにちは、環境整備担当理事の谷口です。本日は公園遊具の「滑り台」について取り上げます。滝山団地にあるものは全て「人研ぎ(じんとぎ)滑り台(=人造石研ぎ出し仕上げ滑り台)」です。セメントで造形し、モルタルの表面を左官屋さんが滑らかに研磨して石のように仕上げます。昔は小学校の手洗い場などに多く使われており、皆様にも馴染みがあるでしょう。
しかし、今では職人の数も少なくなり、このようなセメント造形遊具を扱う会社が国内に殆ど無くなってしまいました。街中で見かける滑り台は合成樹脂製かスチール製のものが殆どです。人研ぎ滑り台はもはや“遺産”とも呼べるくらいの存在に成りつつあります。
このような状況の中、滝山団地には何と50年以上前の人研ぎ滑り台が4基もあります。一つの団地内にこれだけ多く残っているのは、おそらく全国でここだけかもしれません。
4基は全て同じ形です。アーチ橋状で両側から登り、両側へ滑ることが出来ます。頂上に留まるスペースがあるので、子供にとっては展望台にもなり、おしゃべりする場でもあり、とても素敵なデザインだと思いませんか?
ちなみに、この滑り台は滝山団地オリジナルではなく、同年代の他団地や公園でいくつも造られていたようで、当時の標準設計があったのではないかと思われます。滝山第二住宅さんの公園にも同じものが1基あり、私が確認した限りでは、今でも全国に10基以上が残っており、みなさん大切に使われているようです。
滝山団地の特徴は3基の滑り台の下が歩道になっており、住民が生活道路として毎日通行していることです。
下の写真は2街区東大公園のものです。まっすぐに伸びた歩道を跨ぐようにアーチ橋状の滑り台が横たわる姿は絵になると思いませんか?私はこの歩道を歩いて滑り台のトンネルをくぐることがお気に入りです。
このように、トンネルであり、展望台であり、アーチ橋でもある魅力的な滑り台ですが、実は残念なこともあります。次回は「2街区滑り台の“かなり残念な”お話」を致します。(つづく)